第7章 強がり少女【沖田視点】

｢アンタはいねェのかィ？恋人とか、好きな奴とか｣

「え、わっ…こ、恋バナですか」

急に慌て始める彼女に笑いそうになったがなんとか堪えた

「私は恋愛なんて一度も…こんな性格だから色々と誤解されやすいし、今は毎日を生き抜くことが精一杯なんで」

確かに…ちょっと抜けてるとこもあるし、俺も最初は話すのに若干抵抗はあったが…

いざ話すと結構面白れェ奴なんだよなァ…。

隣を歩く彼女をぼーっと見つめていると急にこちらを向いた為、目を逸らした

｢でも沖田くんは恋愛経験豊富そうですよね、何か女の子の扱いうまそうだし…｣

｢…そうでもねェぜ、少なくともあの女に関しては｣

色々…

大変だった…。

頭の中で高校の時の記憶がフラッシュバックした



今だって、電話の1本や2本かけることすら躊躇してる自分がいる

｢へぇ…どんな人なんでしょうね沖田くんが好きになった人｣

｢…ちょっとアンタに似てらァ｣

｢えっ？｣

｢ドジなとこが｣

｢彼女さんに紛れてディスりましたね今｣

そう言って少し頬を膨らまし俺の前を歩く彼女の後ろ姿を見つめた


「でも何か…気づいたら俺はアイツじゃねーとダメになってた」




｢……、好きなんですねその人が｣

｢…あぁ





好きだ｣


何でこいつの前では言えるのに…


- 沖田っ！ -

お前の前では素直に言えねェんだろうな…。