第7章 強がり少女【沖田視点】
部活を終え、そのままバイト先に向かうと店の前には未だかつて無い程の行列が出来ていた
「お疲れ様です」
「あ、沖田くん!今日沖田くんが来てくれて助かったわ」
そう言って駆け寄ってきたのは女店長の高橋さんだ
「何ですかィ、あの行列…ここ喫茶店ですよねィ?」
「私もビックリよ…実はね、この店も古いからそろそろ新メニューとか出してみない?って話になって思いつく限りみんなにメニューを考えてもらったの。そしたら何とはるちんの考えた料理が思いのほか物凄くヒットしちゃってこれなのよ!!」
「ちなみにその料理ってのは…」
「これよ!」
そう言って店長が持ってきた皿の上にはよく見る形のサンドイッチがあった
「…サンドイッチ…ですよねィ」
「そう、でもただのサンドイッチじゃないのよ!食べてみて」
半ば強制的に口に突っ込まれサンドイッチを食べる
「…美味い…」
「ね?実は今までのサンドイッチに特殊な味付けをしているの!見た目も味も最高だし、これもあれもはるちんのおかげよ」
「あの、高橋さん。新メニューのサンドイッチお持ち帰りしたいってお客様がいるんですけど…」
店の表から出て来た女と目が合う
彼女が空道 春だ。
「…沖田くん…お疲れ様です」
「あ、お疲れ様です」
やっぱり見れば見るほど彼女は他の女とは少し違う
俺はバイトでの姿しか知らねーけど、普段から彼女はこうなんだろうか…。
「さ、沖田くん今日は特にしっかり働いてもらうわよ!はるちんも!」
「「はい」」
つか、俺本当に来月でやめさせてもらえんのかこれ…。