第7章 強がり少女【沖田視点】
だがやっぱり何となくムカついた俺は部活中こてんぱんに土方を叩きのめした
「よし、土方さん次は負けた方がバーゲンダッシュ奢るってことでどうですかィ」
「いやどうですかィ、じゃねーよ!!何が"よし"だ!何もよろしくねーわ!さっきから地味な嫌がらせばっかしやがって」
「…当たり前でィ、直接会いに来ねェで影でこっそり人の姉上と連絡してる奴を俺が黙ってるわけねェでしょ」
言うと土方は忽ち顔を真っ赤にした
「ばっ!ちげー、変な言い方すんじゃねーよ!俺はただお前に気を利かせて…」
「土方さん…」
俺は静かに土方さんの横に腰を下ろした
「確かにアンタはムカつく野郎だ…俺より剣道下手なくせに近藤さんに頼りにされて、いつも隣で煩くて…もうぶっちゃけ死ねばいいのにって思ってる」
「オイ」
「でも…やっぱりアンタがそうなったら悲しむ奴も大勢いる…。アンタがいなくなったら…きっと姉上も悲しむ」
「…」
「俺はガキの頃から姉上に苦労かけて辛い思いさせてた…だからもう姉上の悲しむ顔は見たくないんでィ…って言っても俺はまだまだガキだから素直にアンタと姉上を応援してやるなんてことは出来ねェけど…」
俺は真っ直ぐ土方さんを見つめた
「姉上を幸せに出来るのは…土方さん、アンタしかいねェと思ってる」
「…総悟」
「どうか…頼みまさァ」
土方さんは黙ってその場に立ち、俺に手を差し伸べた
「…総悟、お前が姉貴を大事な気持ちはわかったよ」
「…」
「俺だってあいつには笑ってて欲しい、それであいつが望んでくれるのなら…一生俺の隣で笑っててほしい」
俺は黙って差し伸べられた手を取った
「安心しろ総悟、お前の姉貴は必ず俺が幸せにする」
「土方さん…」
「一生って何でィ、気が早ェんだよ殺すぞ」
「大事なオチ!!」