第6章 気になる存在【沖田視点】
そうだ…思えばここ最近アイツと全くと言っていい程連絡してねェ気がする。
確かに忙しくはしてたが、少しくらい…電話してやれば良かったかもしれねェ…
してやるっつーか…俺がしたいのか?
俺も土方さんのこと言えたもんじゃねーや。
「ー…君!、沖田くん!沖田くんってば!」
「えっ…」
「焦げてるわよ」
ハッと我に返ると目の前の調理中のパスタが黒焦げになっていた
「すいやせん…」
「いいわ、また作り直しましょ。それより大丈夫?今日はずっとぼーっとしてるわね」
「大丈夫でさァ…」
「そう?でも無理しないで、これ片付けてる間に少し休憩してきていいわよ」
「すいやせん、じゃあ少し外の風に当たってきます」
女店長に軽く会釈して厨房を後にした
いっけねェ、やっぱ夏休みの疲れが溜まってたのかねィ。
慣れねェ料理を教わったからか、接客が俺に向いてなかったからなのか…
いやきっと…それだけじゃ、ねぇんだろうけど。
考えたって仕方ねェことだが、どうやら俺の頭の中でもアイツの存在は物凄く主張が強いらしい。
溜息をついて店の外に出ると唯一の同い年であるバイトの女子がベンチに座り1人飯を食っていた
…やっぱ暗ェよな…。
俺に気づいた彼女は軽く会釈する
「お疲れ様です…」
「どうも…」
同じように会釈しながら適当に言葉を探した
「休憩中ですかィ?」
「はい…えっと、あなたもですか?」
「まァ…そんなとこでさァ」
「そうですか…」
ヤベェ、無言になっちまった。
相変わらず無表情で何を考えてるのかわからねェし、正直大学で言い寄ってくる女より苦手かもしれねェ。
彼女との距離を測りかねた俺は敢えて彼女とは違うベンチに座った