第6章 気になる存在【沖田視点】
「つか、お前この講義取ってねーだろ。何でここにいんだよ」
「友達のかわりに受けに来たの!ま、ついでに2人に聞いてほしい話もあったからさぁ」
「どっちかっていうとそっちがメインだな」
「また彼氏かィ?」
「違うよ。ちょっと私の知り合いの子の話なんだけど~」
それから授業中俺と土方さんはずっと彼女の話を聞かされるハメになった
「それでね、私が頑張って言ったのに彼なんて言ったと思う?」
「知らねーよ」
「つか結局お前の話かよ」
その話は部活の時間になってもまだ続いていて、正直半分以上は途中から耳に入ってなかった
「もう!2人とも彼女いるから何か良いアドバイス貰えるかなって思ったのに!」
「か、かかの彼女ってお前!!俺にんなこと聞くな!」
顔を赤くして水を飲む土方を俺と中村は不審な目で見つめた
「土方さん、姉ちゃんに変なことしたらブッ殺しますぜィ」
「何もしてねーよ!」
「総悟くんは?」
「あ?俺も別に…」
「まぁ総悟くんは浮気とか心配ないか、桜ちゃん一途だもんね!」
一途…。
「同じ遠距離でも私とは大違い…」
【3日前の電話】
「ねぇもっくん!(本名:森田聡)
明日土曜だし、久々に会ってデートしない?」
「あー…ごめん明日は部活ある」
「えっ…でも今週ずっと部活だよね。たまには休めないの?」
「うん…次の試合、絶対勝ちたいんだ」
「…。」
「ぶ、部活のバッキャロー!!」
「つかお前もマネージャーだろ。部活って言ってんだし彼女なら応援してやれよ」
「確かに。謝ってたしねィ…オメーが悪いな」
「いや意見が欲しいんじゃなくて同情を求めてんの私は!」
「無茶苦茶だなオイ」
「大体…高校の時そんな部活マンちゃうかったやん!」
「オイ地味に方言漏れてるぜィ関西人」
「てかそんなに嫌なら別れればいいじゃねーか」
「う…無理。だって、カッコよすぎるんだもん」
「結局惚気かよ!!」
そういえば付き合ってからアイツと喧嘩なんてしたことねェな。
まァ会ってないからってのもあるだろうが、
- そ、総悟って呼びたい!-
たまには…わがままとか言や可愛いのに…。
「よし、決めたわ!次の試合観に行って直接もっくんに私のことどう思ってるのか問い詰めてやる!」
さすがにここまでは嫌だけど。