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空回り2【銀魂】

第6章 気になる存在【沖田視点】


教室に入ると既に何人かの学生が席に着いていて、俺はその中から見知った野郎の後ろ頭に鞄をぶつけた

「イデッ!」

「あ、すいやせん土方さん。誰もいねェと思ったんで投げちゃいやした」

「ぜってぇわざとだろ!」

予想通りの反応に満足した俺はそのまま野郎の隣に座った

「にしても相変わらず早いですねィ」

「俺は朝から授業あったからな…つかお前が遅すぎなんだよ」

言いながら携帯を閉じる土方さんを見つめた

「電話してたんですかィ?」

「あぁ、まあな」

大方、姉上に連絡してたんだろ。
ったく電話するくらいなら直接会いに来やがれヘタレ野郎が。

口には出してないが俺の視線から感じ取ったのか土方は口を開いた

「…吉野だよ、吉野」

「は?」

てっきり姉上と話していたと思い込んでいた俺は土方さんの口から出た名前に驚きを隠すことが出来なかった

「…何であいつと電話してんでィ」

「まァ近況報告だ。あいつも元Z組の奴らがどうしてるかとか知りてーって言ってたからな」

「へェ…」

桜の奴…土方にんなこと頼んでやがったのか

つうか…いつの間に連絡先交換してやがったんでィ…

無言で土方を睨みつけると

「…オメーが連絡してやらねェからだぞ」

まるで俺の心の中を読んだかのように土方が呆れたように言った

「…仕方ねェだろィ、俺だって忙しかったんでさァ」

そう言って土方さんのノートに意味もない絵を書く

「俺のノートに落書きしてる暇はあんじゃねーか!」

ノートを取られたと同時に授業開始のチャイムが鳴った

「あー今から授業とかだりぃ〜寝みぃ…」

「さっき起きた奴が何言ってやがる」

「夏休みは部活の練習日以外ほとんどバイトだったんでねィ…あんま寝てねェんでさァ」

「ほぅ…お前にしては真面目にやってんだな、例のバイト」

机にうつ伏せる俺を見て土方さんが言った

「ええまぁ、でも最近は客引きみたいなことばっかやらされてて、ひょっとしたら中村の策士じゃねェかと思いやしてねェ」

「策士?」
「え、何呼んだ?」

何処からか俺と土方さんの間に割り込んで来た中村

「呼んでねェし、何なんでィお前は」

「何って中村琴梨よ!あなた達の親友のッ」

「うわー…休み明けのお前いつもの倍うぜェ」

「つか親友か?」

「だんだん扱い酷くない!?」
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