第1章 再会
そしてその日はあっという間にやってきた。
『着いた!』
電車から降りて町に出て見たその景色は半年しか経っていないのにとても懐かしく感じた
(えっと…確か銀高前で待ち合わせだったよね)
早くみんなに会いたいなぁ~。
そんなことを思いながら銀高までの道を歩いていると前から歩いてくる人物に思わず目を見開いた
サッと電柱の後ろに隠れて相手が通りすぎるのを待つ。
ていうか
あれ沖田じゃない?
ちょっと雰囲気変わってるけどあのサラサラな栗色髪と赤い目は絶対沖田だ!
え?何で隠れたのかって?
そりゃあいきなりすぎてビックリしたっていうのもあったけど…。
私は再び電柱から沖田を覗いた
「ねぇ帰りにちょっとファミレス寄ってこうよ!」
そう言って沖田の袖を引っ張る可愛い女の子。
誰…?
次の瞬間私の頭に何かが走った
ま、まさか…!
「お前の奢りならいいぜィ」
浮気ィィイイ!!?
勢いで掴んでいた電柱にヒビが入った
ちょっと待って!!
なんで、そんなっ…
「えー…またぁ?じゃあいつもの駅前のところにしよう!」
可愛い系の女の子はそう言って沖田と行ってしまった
今いつものって言ったよね?
いつも行ってるの?
私は溜息をついてその場にしゃがみこんだ。
なんてこと…。
恋人に会いに来たというのに来て早々浮気現場を見てしまうなんて!!
『タイミング悪すぎる…』
あんなの見た後でどうやって顔合わせればいいんだろう。
『…もう帰ろうかな…』
そう呟いて立ち上がったとき
「おー吉野、あんま遅ぇから迎えに行こうと思ったって……何してんのお前」
そう言って手を振りながら近づいてくる土方に溜息をついた
『君もタイミング悪いね土方くんよ』
「は?」
半年で人の心は簡単に変わってしまうものなのだろうか。