第5章 秘めた想い
あれから私は神威くんが食べた弁当の件で店長に呼び出され、彼のかわりに残業をさせられた為、帰りがすっかり遅くなってしまった
『大体何で私が怒られないといけないのよ…絶対ブラック企業だわうちの店』
やめようかな…あ、でもお金ないんだ。。
そうブツブツ言いながら家までの道を歩く私の足取りは非常に不安定なものだった
家の前まで来た時、家の壁にもたれる人影が見えた
『…高杉?』
「よォ…」
なんと高杉だったのだ
『え、何で…』
「神威からお前んちの場所聞いた」
『そ、そっか…えっ?でもどうして』
「…久々に会ったしな、ちょっと寄っただけだ」
高杉…
『何かキャラ変わった?』
「うるせェな、つーかちょっとは気ィ効かせて中に入れて飲みもん入れるとかねーのかよ。相変わらず沖田以外眼中になしか」
『う、うるさいな!わかったよ、どーぞ』
不機嫌な顔で家に入っていく高杉を横目で見つめる
『ていうか、いつから待ってたの?』
リビングのソファーに座る高杉にそう聞くと
彼は一瞬だけ私を見てからすぐ目を逸らした
「…いつでもいいだろ」
『は?』
「つーか茶はまだかよ、不親切な家だな」
『相変わらず態度が不良だね高杉!!』