第5章 秘めた想い
『な、な…』
なんで…
「もう来るの早いよ、待ち合わせここじゃないし」
「何言ってんだ、待ち合わせは1時間前だし、遅かったら店に来いってテメェが言ったんだろうが」
「…そうだっけ?」
なんで…高杉がここにいるの!?
「じゃあ桜、俺もう行くから後はヨロシクネ」
「桜?…」
ようやく私の存在に気づいた彼は私を見るなり目を見開いた
「吉野…お前何でここに」
『それはこっちの台詞なんだけど!』
「え?シンスケ桜と知り合いなの?」
「あぁ、高校ん時の…」
『…』
「おもちゃだ」
『クラスメイトです!!』
「なるほどね。シンスケが玩具にするくらい面白い子だったんだね桜」
いや玩具じゃねーよ!!
「ってそんなこと言ってる場合じゃないよシンスケ!早く行かないとライブ始まっちゃうよ!」
「おー、じゃあまたな吉野」
『え、ちょ…』
神威くんに背中を押されながら高杉は店を出て行った
…なんなの、もう。
ってあれ?ここに置いてた弁当が、ない!!
あんの…
『顔だけ男がぁあああああッ!』