第5章 秘めた想い
あれから私は猛ダッシュでバイト先に向かったが遅刻した為、店長から20分ものお説教を食らった
『あー膝痛い…』
「珍しいね、桜が遅刻なんて」
そう言いながら私の頭に顎を乗せるのはバイトの先輩の神威君
先輩なのに君付けなのは彼と初めて会った時に…
『よろしくお願いします神威さん』
「よろしく。俺のことはさん付けしなくてもいいよ。」
『え、でも…』
「次さん付けしたら、殺しちゃうぞ。」
『すみません神威くん!…』
てなことがあったからである。
お弁当屋であるこの店の店長に彼は何と顔だけで採用されたらしい。
まぁ…確かに色白だし、中性的な顔立ちで客受けはいいとは思う(特に女性客)
「気ィ抜いてるとクビになっちゃうよ」
『店の弁当勝手に何個も食べる神威くんに言われたくないです』
「違うヨ〜賞味期限切れてたから処理しただけだよ」
『そんなものお店に出しませんよ!!』
神威くんは鉄の胃袋を持っている
まるで神楽ちゃんみたいだ。
そういえばよく見たら神威くん、どこか神楽ちゃんと似てるような…
「あ、俺そろそろバイトあがりだ!」
『…!今日は早いですね』
「これからさ〜トモダチのライブに行くんだよね」
『あ、いいですね』
「シンスケと待ち合わせしてるんだ」
『しんすけ?』
聞き覚えのある名前に反応して神威くんを見つめるとお店の自動ドアが開いた
『あ、いらっしゃいま…』
「あー!シンスケ!!」
次の瞬間、私は目の前の人物に驚きを隠すことが出来なかった