第4章 出逢い【沖田視点】
「よし、今日の練習試合はここまでだ。みんなお疲れ」
部長の解散の指示に従いみんな次々と道場を出て行く
「俺も着替えに行くとするかねィ」
「総悟、この後飯食いに行かねーか?」
土方の言葉に俺は眉間に皺を寄せた
「…友達いねーんですかィ?」
「オイしばくぞてめぇッ!何だその哀れみの顔は!!」
ギャーギャー騒ぐ土方の野郎をよそに荷物を持ち道場を出ようとしたとき
「ねぇ、二人とも!!」
「あ、にわとり」
「誰がにわとりよ!琴梨よ土方くん!」
「騒ぐんじゃねェやきとり」
「ちょ、焼かないでよ総悟くん酷い!」
マネージャーの中村琴梨が頬を膨らましながら近づいてきた
「で、何の用でィ」
「あ、うん。実はちょっと相談に乗ってほしいことがあって…」
そう恥ずかしそうに言う中村を見つめ溜息をついた
「えっ!何で溜息!?」
「どうせまた例のカレシだろ」
土方の言葉に黙り込む中村
図星か。
中村には高校時代から付き合っている彼氏がいる。
その彼氏とは別の大学で、所謂遠距離恋愛というやつをしているらしい。
しかし中村曰く、超ルックスの良いその彼氏は大学行っても女にモテモテらしく、優しい性格ゆえ他の女子にデートに誘われても断れないそうだ。
そんなカレシの愚痴をほぼ毎日俺や土方さんは聞かされている。
「んじゃ、俺らもこれから飯食いに行くし一緒に来るか?」
「ほんとに!?いいの!?」
「そのかわりお前の奢りだぜィ?」
「くっ…。イケメンとタダではいられないってことね…」
こんな性格だが他の女子みたいに気を遣わなくていい分接しやすいため、俺は嫌いじゃなかったりする
…ま、調子に乗るから本人には絶対言わねーけどな。