• テキストサイズ

空回り2【銀魂】

第4章 出逢い【沖田視点】


珍しい夢を見た。

桜の夢だ

- 総悟! -

そう言って満面の笑みでこちらに近づいてくる

やっぱその呼び方しっくりこねーよ。


俺の隣まで来た彼女は何も言わずそのままそっと俺の手を握った


視線を彼女に移すと目が合った
手を握り返そうとするが上手く力が入らない

すると彼女はゆっくりと手を離し、そのまま向こうへ走っていった

「オイどこ行くんでィ…桜!」

そう叫ぶと振り返った彼女は口を開いた

- 絶対…迎えに来てね -

彼女の言葉に俺は何も返すことが出来なかった

いや、何も出てこなかったんだ。

彼女の名前を叫んでも、声は届かない

行くな桜っ!!

桜っ!








「行くなっ!!」

「は?」

目を覚まし体を起こすと目の前に桜の姿はなくて


かわりに

「何言ってんだお前…」

不快な野郎(土方)が目に映った

「オイ、不快な野郎と書いて土方ってどういうことだ」

「チッ、寝起きに視界に入ってくんじゃねーよ土方」

「試合中に居眠りしてんじゃねェー!!」

騒ぐ土方をよそに俺はペットボトルの水を口に含んだ

そうだ、今は部活の練習試合の真っ最中だ。
こうも暑いとボーっとしちまっていけねェ。

夏休みは大抵部活でそれなりに疲れは溜まっているが、最近は自分でもわかるくらい集中出来ていない

桜と夏祭りに行ったあの日からもう2週間。
定期的に連絡はとるようにしているが、それでも彼女と話す時間は以前に比べると極端に少なくなった

本人は"全然大丈夫!"とかって言ってたが…

「あいつ強がりだからなァ…」

ほんとわかりやすいくらい。

溜息をつくとそんな俺を見た土方が言った

「何の夢見てたんだよ」 

「は?」

「…行くなって…うなされてたぜ」

‥…。

「忘れやした」

「なんだそりゃ…」

何の夢だったかは思い出せねーけど…

− 絶対…迎えに来てね -

やけにリアルな夢だった。
/ 108ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp