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空回り2【銀魂】

第3章 好きな人


浜辺に着いた私達はとりあえず石階段に腰を下ろした

『あんまり人いないね』

「そうだな」

波の音だけが響く中で沖田と二人きりはやっぱりまだ緊張する

『ねぇ沖田!』

「何でィ、言っとくが持参花火はしねーぞ」

『いや言ってないし!ていうかどんだけ私と花火したくないの!…』

「別にんなこと言ってねーだろィ」

『…そうじゃなくて、私が言いたかったのはあれから1年も経つんだなぁってこと…』

「あぁ…そういや去年は色々あったねィ…」

沖田の言葉に静かに頷いた

『うん…確か去年の夏祭りは、私が泣きながら
沖田から走って逃げてて、屋台のところで捕まったんだっけ』

「焼きそば」

『あはは、そうそう焼きそばの屋台!』

「そこで俺はお前に"好きだ"って言った」

『…』

え。

『そう…でしたっけ?』

「前作見返せ鈍感女」

えええ!?あれ、全く覚えがない!!

去年のことを思い出そうと必死に記憶を辿っていると沖田に頭を叩かれた

『痛ッ!女の子の頭叩くとか酷くない!?』

「うるせェ、思い出したら腹立ってきたんでィ」

そう言って拗ねたようにそっぽを向く沖田を見つめた

『本当に…言ったの?』

「…嘘ついてどーすんでィ」

『じゃあ…





    もう1回好きって言って欲しいな』

「ブッ殺されてーのかィ」

『なんで!!?』

ここは「仕方ねーな、愛してるぜ吉野」って言うところじゃないの!?

「愛してるなんて死んでも言わねー」

『何勝手に心の中読んでんの!?』

相変わらずこっちを向かない沖田を見て溜息をついた


はぁ…結局ラブラブ作戦も失敗か。。



「お、見ろ吉野、花火上がった…」

(まぁ、でも…)

花火を見つめる沖田の横顔を見つめていると、 こっちを向いた沖田と目があった

(こんな沖田の顔、近くで見れたから…いっか。)

「…」

『綺麗だね』

「…あぁ」

『また…来年も来ようね…』

そう言って笑うと沖田は少し切なそうな顔をした
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