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空回り2【銀魂】

第3章 好きな人


『ねぇ、沖田』

「…」

『私…今日沖田とお祭り来れて良かった』

「…何でィ急に」 

遠距離って…やっぱりつらいな。
今日が終わっちゃったら…またしばらくは沖田とも会えないんだ。

『沖田…』

だから…伝えたいの



『好き』

同時に花火の音がして掻き消されたと思ったけど、どうやら彼の耳には届いていたみたいで

「何…改まってんでィ」

そんな彼は耳まで赤くなっていた

『ううん!言いたかっただけ!』


そう言って笑うと沖田は私の腕を掴んだ

『えっ』

そして私は倒れ込むように引き寄せられ気づくと沖田に抱き締められていた

『えッ!お、』

「…」

『沖田っっ!あ、えっと…』

「好きだぜィ…桜」

沖田はそのまま私に触れるだけのキスをした

えっ…。


『…あ…え…今な、名前で…呼んだ!?』

「いいだろィ別に…」

うそ…沖田が…名前で呼んだ。

『わ、私も呼びたい!』

「あ?」

『そ、そ、総悟って呼びたい!!』

勢いまかせにそう言うと沖田は目を見開いた

「いや呼ばなくていい」 

『え!なんで!?』

「名字呼びのほうがしっくりくるんでィ」

『え、そんなのずるいよ!!』

「うるせェ、次言ったらもう一回チューすんぞ」

『な"っ!』

沖田のこういうところはちょっと嫌いかもしれない…。

でも…。

- 好きだぜィ、桜 -

『フフッ』

「何ニヤニヤしてんでィ…気持ちわりぃ」

『別に…やっぱりお祭り来れて良かったなって!』


沖田が好きって言ってくれた。
私は…絶対忘れないよ。


私は沖田の手を握って花火を見つめた

すると沖田もそっと握り返してくれた


このままずっと時間が止まってくれたらいいのに…。





なんて、この時の私はこの先のことなんて知るよしもなかったんだ…。
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