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空回り2【銀魂】

第3章 好きな人


「吉野、やる」

『えっ…』

焼きそばの次に沖田が私に渡したのはりんご飴だった

「さっきここ来るとき見つけたからついでに買ったんでィ」

『あ、ありがとう』

私は沖田から貰ったりんご飴を見つめ言った

『何か…私ばっかり貰っちゃってるね』

「気にすんな、今日誘ったの俺だしねィ」

『で、でも…』

「それにお前…甘いモン好きだろィ?」

そう言って微笑む沖田の顔が愛しくて、

でも上手く言葉に出来ないこの気持ちがとても もどかしくて、切ない。


『うん…大好き…』

だからどさくさに紛れた"好き"も彼の袖を
ぎゅっと掴むことも私が今できる精一杯の想いだった


あぁ…きっと今、私の顔は真っ赤に違いない。

沖田の顔を見ることが出来ないため、彼がどんな顔をしているのかもわからない

「もうすぐ花火上がるぜィ」

『えっ』

顔を上げた瞬間沖田は私の手を握った

『ッ…』


「浜辺…いくか」

そう言って微笑む沖田を見つめ、そっと彼の手を握り返した

『うん…』


それはいつかの時を思い出す。
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