第2章 変わらないもの。
「勘違い?」
『ごめん土方!!』
あの後、二人して土方の所へ戻って事情を全て話した
「まぁ、何となくそうかとは思ったけどよ」
そう言った土方の後ろからひょこっと女の子が出てきた
『あっ…』
女の子はじっと私を見つめる
勘違いして勝手に彼女だって決めつけちゃったもん…ちゃんと謝らないと!!
『あのッ』
「あなたが総悟君の噂の彼女さんだったんですね!!」
口を開こうとした瞬間突然女の子が喋り出した
『え…う、噂?』
「はいッ!総悟君ってウチの大学ですっごくモテるんです!学年なんて関係なしでファンも大勢いて告白もたくさんされてるんですよ」
うぉお…沖田ってやっぱりどこでもモテるんだな。
頷きながら沖田をみると“感心すんな“と言って叩かれた
「でも総悟君誰とも付き合おうとしないから彼女いるんじゃないかって女子たちの間で噂されてたんです」
女の子が言うと沖田は私から目をそらした
『あの…勘違いしちゃったみたいで…てっきり 沖田と付き合ってるのかと…ごめんなさい!』
「そんな!謝るのはあたしの方ですよ。紛らわしいこと言っちゃったし…それにあなたと一緒にいたのが土方くんってことも気づかなかったし」
「マネージャーだったら気づくだろィ」
「総悟くん酷い!!」
「それは俺も思う」
「えぇ~土方くんまで!?」
土方も沖田も楽しそう…仲良いんだ…。
3人のやり取りをぼーっと眺めて微笑む私に女の子が話しかけてかきた
「あたし中村琴梨(ことり)!あなたは?」
『えっと、吉野桜です!!』
「そっか!よろしくね桜ちゃん」
やっぱり…良い子だ。
「ねぇ桜ちゃん!良いこと教えてあげる」
『良いこと?』
そう言って琴梨ちゃんが私に耳打ちして言った
「沖田くんに告白した女の子たちが言ってたんだけど、沖田くん告白断るときいつも何て言って断ってると思う?」
『?』
「“惚れた女がいるからそいつ以外好きにはなれねェ“」
『えッ!?』
うそ…本当に沖田が!?
ラブラブだね~と言って笑う琴梨ちゃん
ちらっと沖田の方を見ると沖田もこちらを向いていて丁度目が合ってしまった
『ッ!』
フイッと顔をそらす私を沖田は不審な目で見つめる
やばい!…嬉しいけど…
沖田の顔が見れない!!