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一期一会【鬼滅の刃 不死川実弥夢】

第4章 昇格と里帰り


数日後――。

刀が打ち上がるまでの間、飛羽は久しぶりに里を歩いていた。

「あれ、飛羽姉ちゃん!」

若い刀鍛冶たちが駆け寄ってくる。

「柱になったって聞いた! 任務の話聞かせてよ!」

「大した話じゃねぇよ。鬼を斬って、生きて帰ってきただけ。」

笑って答える飛羽だったが、その羽織についた無数の傷跡を見た刀鍛冶たちは言葉を失う。

「……そんなに危険なのか。」

飛羽は少しだけ遠くを見る。

「鬼殺隊は命懸けだ。だから、お前らが打ってくれる刀一本一本で、何人もの命が救われてる。」

その言葉に、刀鍛冶たちは誇らしそうに胸を張った。

その頃、鍛冶場では蛍が一心不乱に刀を打っていた。

カン、カン、カン――。

火花が舞い、何度も何度も鉄を鍛える。

「蛍、少し休め。」

周りが声を掛けても、蛍は首を振る。

「これは飛羽の刀だ。妥協はしない。」

兄としてではなく、一人の刀鍛冶として、最高の一振りを作るために。

そして数日後――。

「飛羽。」

蛍に呼ばれ、鍛冶場へ向かうと、一振りの日輪刀が静かに置かれていた。

鞘から抜いた瞬間、澄んだ音が響く。

刃には力強く四文字が刻まれている。

『悪鬼滅殺』

飛羽は思わず息をのんだ。

「……やっぱり兄ちゃんの刀は最高だ。」

蛍は腕を組んだまま、ぶっきらぼうに言う。

「当然だ。お前はこの刀で生きて帰れ。」

その一言に、飛羽は少し目を細めて笑った。

「約束する。また絶対、この里に帰ってくる。」

蛍は照れ隠しのように顔を背ける。

「帰ってこなかったら許さん。」

飛羽は新しい日輪刀を腰に差し、酒瓶を軽く持ち上げた。

「よーし! 景気づけに一杯──」

「任務前に飲むなァァァ!」

蛍の怒号が再び里中に響き渡り、刀鍛冶たちは大笑いした。

そんな賑やかな時間の裏で、里の見張りが山の方を見つめ、表情を曇らせる。

「……鬼の気配だ。」

まだ誰も知らない。

この帰郷が、やがて刀鍛冶の里を揺るがす大きな戦いの始まりになることを。
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