第5章 体育祭が!!来る!!…一歩手間
「…怪我とか、身体に支障は無いか?」
「う、ん。ちゃんと診てもらったから大丈夫って。お医者さんも言ってた」
「そうか、良かった、」
そう言って僕の肩に顔を埋める焦凍。
僕の肩に、顔を、うずめ、んーーー??何してるのかな焦凍は。それ顔置き場じゃなくて、僕の肩。あー待って、ぐりぐりは無し。擽ったいから。ねぇ、一寸待って。
「うふ、」
「「「「うふ、?…うふ!?????」」」」
仲良いね君たち。
ってちがぁぁぁう!!!!僕は何をやっているんだ朝っぱらから。いや、焦凍の髪の毛がサラサラで擽ったいのが悪いんだけれども。うふってなんだよ。うふって。どっから声出したの僕。
「気に入ってくれたのか。良かった」
「いやいやいやいや違う。違うよ?」
「ぁ、違う、のか、」
「あーっと今の無し無し!!」
「そうか、気に入ってくれたんだな」
「合ってるけども違ぁぁぁう」
そんなしょんぼりした顔しないで焦凍。そしてまた僕は要らぬ誤解を産んでしまったよ。どうしよう。敦と芥川の視線が痛い。嫉妬にまみれてる気がするのなんで。嫉妬する要素どこにも無いでしょ。
「何やってんだお前ら。チャイムはもうとっくに…どうした東条一人突っ立って」
「え???いやさっきまで」
周りを見て見たら、先程までわちゃわちゃして此方を見ていたクラスメイトの皆さんは、綺麗に着席して何も無かったかのように顔を逸らしている。あろう事か敦や芥川、そして元凶である焦凍でさえもしらーっと目を逸らしてくる。
「って、嵌められたァァァァァァ!!!??!」
「病み上がりだから手加減しやろうと思ったが、元気そうだなァ」
しまったと思うも時既に遅し。
僕の目の前には青筋を額に浮かべた担任様。
「ふっ」
あれ?今クリヰム髪くん嗤ったよね?鼻で。僕を!さっきは一寸鋭い視線を感じていたけど!今はなんかスッキリしたみたいな顔して!!ちょっと!?そして相澤先生は彼を華麗にスルーしないで?僕よりも彼の方が問題あるでしょ!(今は無い)
「…後で職員室に来いよ」
「っ、んふっ、」
耳元で囁かないでくれるかい?擽ったいったらありゃしない。織田作の声に似ているのだよ。
いや、その、行きます行きますはい。行きますから。