第5章 体育祭が!!来る!!…一歩手間
四日後──────
「完全復活!!!!いやぁ心配かけたねぇ二人とも〜」
今日は元気に明るく病院からの登校。
焦凍がめちゃくちゃ心配して僕を送るとか言い出したけど丁重に断っておいた。有難いけど、僕たち二人が行動すると禄でも無い事が起きることを学んだから。
「ご無事で何よりです」
「東条さぁぁん、あの時は本当にすみませんでしたァァあああぁぁぁ」
「ん?なんの事?」
何処かで木魚が鳴った音が聞こえたよ。なんの事かな?
「あ、いや、その、僕が止めようとして、その」
「はっきり言わんか人虎。東条さんの頭を思い切り殴ったんですよ、虎化した手で」
もう一度木魚が鳴った。
「成程!だから僕はその時の記憶が無かったんだね!嫌に長く寝続けてたから何かあったのかなぁとは思ってたけど…止めてくれた事は聞いてるんだ!ありがとう二人とも」
「っ!いえそんな!顔あげてくださいよ」
「僕は、当然の行動をした迄です」
どうしよう治くん。
二人が可愛すぎるよ。お持ち帰りしていいかなぁ。
あ、駄目なの?なんだつまんないの。僕だって癒しが欲しいのに。
「東条くん久しいな!元気そうでなによりだ。そして君は体育祭に出るのか?」
「飯田くん、おはよう。一つ質問、体育祭って何?」
僕の所為で空気が凍ること多々あるよね。これなんだい?非常にやりにくいんだけど。僕が悪いのかな?
「えっ、相澤先生から何も聞いてないの?」
「それヤバくね?」
「東条くん東条くん!体育祭ってのはねー!?」
心優しい皆様は答えてくれるらしい。
あーーっっっと、!?そんな顔しないでくれよ焦凍。昏い目は君に似合わない。無言の圧を感じるんだが。行けばいいんだろ?そっちに。
「そ、そうだった、焦凍が僕に、」
「そういう事だ。誠人、こっち」
「う、ん」
今度は敦と芥川が人殺しそうな目してる。君たちがやったら洒落にならないんだって。僕それ沢山見たから。ちゃんと綺麗に片付けてくれよ。目を瞑るとかして。
「あー、と、その、焦凍、」
「心配した」
「ぅ、ごめん、」
「返事くれなかった。LINEしたけど」
「ぁぅ、電源、切れてて」
後ろから突き刺さる好奇の目と、変わらない焦凍の昏い目。もう一寸にこにこしててくれよ。君は真っ直ぐな目をしている方が美しいと僕は思うんだ。