第4章 USJ
「相澤先生ぇぇっ!!」
っ!??
元猟犬のメンバーだから身体能力は一般人よりも長けている。聴力も視力も格段に違う。
デメリットはメンテナンスを怠れば体が腐って死ぬ事くらいだろうか。
そんな僕の耳が拾った叫び声。
「っぁ、」
振り返ると、敵に掴まれている先生が居た。しかも相手は死柄木だ。
僕は視力が良い。つまり、彼の表情も読み取れるわけで。
相澤先生は苦痛に耐える表情。対して死柄木は、笑っていた。
駄目だよね。勝手にそんなことしちゃ。
「相澤先生から手を離してくれないかい?」
「っ、!?誰だ、…まさかお前、東条誠人か?」
「…何故僕の名前を知っている」
ひと飛びでそりゃあ何米まで飛べるか分からない足だ。彼処から此処までそう距離は無い。一秒もかからずとも到着出来る。
相澤先生を遠くの安静(と云ってもこんな所じゃ安全も何も無いけどね)な所に運ぶ。
「君が俺らの保護対象だからさ」
狂気じみた表情で恍惚と話しかけてくる。顔が手だらけだ。誰の手かな。気持ち悪い。けど、
興味深い。
「保護対象?莫迦云え」
「本当だよ。俺らの目的の半分は君」
「はぁ?」
もう飽きたよ。散々だし。僕の追っかけして何が楽しいのかなぁ。そこまで珍しくないでしょ。僕の個性(異能力)は。
「僕を狙う輩って、こういうことなのかな」
「そしてもう半分はこれだ」
「ぁがっ!!!?」
瞬間、殴り付けられた。背後から。
人じゃ出せぬような驚異的なパワァで。痛い。
「これで平和の象徴を壊しに来た」
今日一番の笑顔をうかべた死柄木は、
「誠人クン、敵連合に入ろう」
きっとあの場所で誰よりも輝いていたと思う。