• テキストサイズ

此処って異能力使えますか?【文スト】【ヒロアカ】

第4章 USJ


「んー、ぁ、?」

目が覚めたら白い天井が視界いっぱいに広がった。

あれ?僕確か、

「起きたか唐変木」
「酷いよ国木田くん」
「暴走したお前を止めるのに苦労したのは誰だと思ってる」
「ああ!成程。記憶が無いのはそういう事か」
「納得するな阿呆が」

国木田くんの当たりが強くて僕泣きそう。

僕今一応怪我人だよね!?なんで!?

「敦と芥川が協力してお前を止めた」
「あの気持ち悪い敵は?」
「お前を突き飛ばしたのは脳無というモノらしい。オールマイトが駆け付ける前にお前が蹴散らしたがな」

え、あ、あー、僕またやっちゃったわけだ?

「…僕またオールマイト無視した感じ?」
「落ち込んでたぞあの人」
「だって到着が遅いんだもの。活動時間の限界があるから余計にかな?」

「っ、何故それを知っている」

「オール・フォー・ワンとの死闘で喰らった怪我が長引いてるんだよね?」

だって、神ノ知恵が、教えてくれたんだもん。

「…当たっている。だが、それは絶対に」
「口外しない、だよね?分かっているよそんなこと」

窓から見上げる空はいつもと違って、少し曇っている。
薄らと太陽にかかる雲は強い日差しを幾分か和らげてくれている。

「…国木田くん、僕は普通に生きる事が出来ないのかな」

少し気を抜けば暴走する自分。
世界は変われど昔犯した罪は消えない事。
同じ見た目、同じ性格、そして同じ異能力を持った僕は、

『お前は人を殺さずにはいられない』

分かってる。分かってるんだよ。
銃弾で肉を貫く時の音、刀で斬る時の音、肉塊と成り果てて堕ちる音。
全てが鮮明に呼び起こされる。

「誠人、お前はまだ何も罪を犯していない」
「でもね、無かったことには出来ないんだよ?」

「…此は俺の勝手な私情だが、俺は誠人に高校と云う時代を謳歌して欲しい。何も知らない内から殺しを叩き込まれた前のお前とは違う。今の誠人はただの男子高校生だろ」

嗚呼、それが出来ればどれほど嬉しいだろうか。

普通が分からない僕は普通になれない。

「…ただの男子高校生、か」
「…普通じゃなくて良いんじゃないか」
「へ、」
「個性があってこそ輝ける世界だからな」

片目を瞑り笑いかけてくれる国木田くん。
すっかりこの世界に染まっているじゃないか。

「…はは、国木田くんが眩しいよ」
「そうか」
/ 66ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp