第4章 USJ
「さぁ早く。答えないと手が滑っちゃうかも」
「ひっ、」
人を殺すだけの重みが確かにある銃口を突きつける。大抵の奴はこれで話してくれる。だって心がなってないんだから。
「ねぇ、敵さん」
耳元に顔を近づけて囁く。
「僕、正直な犬は大好きなんだぁ♡」
「っ、死柄木とか言う、男だッ!其奴が、雄英襲撃に行くって言ってきて!成功すれば瞬く間に有名になれるって言ったからっ!」
死柄木ねぇ。如何にもな名前だよね。まるで自分か誰かが後から作ったみたいな。本名とは絶対に違う。
「そうか。ありがとう。取り敢えず気絶してもらうね」
「はひっ、!?」
男の顔面のすぐ横に弾が着弾した。
「東条!大丈夫っ?」
「あ、耳郎さん。それに八百万さんと上鳴くん」
駆け付けてきてくれたのはこの三人。
見たところ怪我は無いみたいだけど…
「怪我とかしてない?」
「私たちは無事ですわ」
わたくしって言うんだ。お嬢様感が溢れ出して止まらないみたいだ。その美しいボディラインが物語っているよ。
「それより東条、お前一体何者だ?さっきのバスも今回の襲撃も」
「何も言っているんだい?上鳴くん。僕はただの雄英高校の一年生だが」
「でも、おかしいじゃねぇか!!!何で入学したての一年が国木田さんと知り合いなんだよ!!それに、戦い方も慣れてる感じがしたし!」
「ちょっと上鳴、」
おっとここで声を荒らげてしまうか。これは少し想定外かもしれないねぇ。生憎、君に時間を割いている暇は無いんだ。
「上鳴くん、人は見たものを何でもそうだと決めつけてしまう。他の面を見ずに。それは良くないことだよね」
今君たちが見ている景色が、例えばスクリーンに映されたものだったとしたら?僕はただの生徒だよ?
細雪。
…嘘だけど。
「っ、でもっ」
「悲しい事に、でもも何も無いのだよ。続きは今度じっくり話そう」