第4章 USJ
「次、ヒーロー基礎学、だったよね?僕だけ未だコスチューム届いてないんだけど」
「三つも注文するからだ」
「気分によって変えないとだからねぇ」
「煩い。取り敢えず、一つは完成したらしい。ほら、これ受けとってさっさと着替えろ。バス停行ってるぞ」
「よりにもよって、これかァ」
スーツケースを開くと、紅色の衣装が。
つまり、
「猟犬って事かよ」
まァいい。今日は何か起こりそうな気がするよ。非合法組織や探偵よりも正義の味方の方がカッコイイよね。
注文した通り、細部の持ち物まで完璧に復元されている。この一つ一つを覚えていた僕の記憶力と、復元してくれた職人さん(個性持ちさん)に感謝しよう。
「早く行かないと怒られる。お願い、僕の身体よ。頑張ってね」
指定されたバス停に行くと、バスにも垂れている相澤先生が一人。
「遅い」
「あれ?みんなは?」
「バスの中だ。誰かさんのせいでな」
わぁ。怖い。でも時間に間に合ったし。悪い事はしていない。
「ぁぇ、、、」
「っ、、貴様ァっ!!」
バスに乗った途端に敦と芥川から飛んできた殺気。弱いな。まだまだだ。芥川に至っては僕なのに。
え、ぴえん。(使い方あってる?)悲しい。そしてクラスメイトよ、殺気に怯えるようじゃまだまだだよ。
「そんなに怯えないでくれ給へ。安心しろ。中身は僕だ」
「っ、なんだ、驚かさないでくださいよ、、」
「…僕は貴方を殺したくは無いんです」
「いくら僕でもそんなに敵意を剥き出しにされると気分は良くないよ。見ての通り善良な市民だ。嗚呼、みんな。気にしないで。これはちょっとした戯れさ」
固まってるみんなに呼び掛けをする。ちょっと緊張してるか。仕方ない。だってこの二人だもん。僕もちょっとびっくりした。
「さっさとお前が席に着け。出発できん」
「はいはい。じゃ、運転手さん!安全運転で宜しく頼むよ!」