第1章 きっかけはスカウト
今からレッスンを始めて、夏頃に売り出したい…だから、1週間後までに返事をください。
…というのが向こうの提示した条件。
まだ、もう少しだけ時間はあるけど…!
「先生、私は呪術師としては3級止まりですけど、声優になったら2級くらいにはなれるでしょうか」
「僕には分かんないよ。ただ、寧々は術師としての才能はある。その活かし方をまだ見つけてないだけだよ」
「活かし方があるなら教えてくださいよー…」
「呪術師ってのは、常に危険と隣り合わせ。そんな時、癒しをくれる存在がいたら…どうなる?」
「それが私にとってのアニメで、声優さん達なんです〜!」
最初に先生に相談した時、先生は両立したらと言った。
呪術師をしながら声優もする。
それが出来たらどんなに良かったか。
事務所が提示した条件には続きがあって、副業は一切禁止で声優にだけ向き合ってもらうとのことだった。
それを聞いてもまだ揺らいでしまう私に、五条先生は優しく言葉を掛けた。