第1章 enrollment
「今日、俺疲れたから癒してってば」
『う、ん?…!!ひ、ぁ!んっ…』
悟の片方の手が私の胸の方に移動し、ゆっくり優しく揉まれていく。背中に走る電流のような感覚と下腹部が切なくなる感覚に襲われて、恥ずかしい声が漏れてしまう。
ちゅっ、れろ、ちゅ…
この音、おかしくなる…!
耳と首筋を舐められて、脳内に水音が響き渡ると、涙が滲んできてしまう。
『さと、る…!恥ずかし、よぅ』
「クスッ…いじめたくなる顔すんなよ。
そうだなぁ、キスしてくれたらやめてあげる♡」
普段だったら何か言い返したくなるようなその言葉に、何も反論する気も起きず、ただコクリと頷いて身体を180度動かした。
悟の目、こんなところでもキラキラしてる
息も絶え絶えに、片手で彼の肩に掴まり、片手を彼の頬に添えるとゆっくり顔を近付ける。
ゆっくり瞼を閉じる彼に、触れるだけのキスを落として少し離れると、至近距離で目が合う。
いつのまにか、瞼開いてる…!
かぁっと顔に熱が集まるのを感じると、彼は笑いながら片手を私の頭にポンッと乗せ、ゆっくりバスタブから上がっていった。
「先、髪洗うからちょっと待ってろ」
『は、い』
くるりと壁の方を向き、両手で頬を押さえた。
悟、服着てない!
濃い入浴剤のおかげであまり気にしていなかったが、改めて目の前に裸の彼がいると確認すると、再び恥ずかしさが湧き上がってくる。
何事も無いように鼻歌を歌いながら、シャワーを浴びている彼の思考が全く理解できずに息を吐き出す。
私、悟の掌で踊らされてるみたい…