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五条君に恋に落ちるお話【R18】

第1章 enrollment






『今日の悟、何かの王子様みたい』



手の甲にキスなんて海外ドラマでしか見たことないけれど、悟がそうすると自然と様になる。

クスリと笑えば、私の手を掴んだまま悟も笑って口を開く。



「永遠にかぐらの王子ですケド」

『ふふっ』

「なぁ、抱いていい?」

『?…もう抱きしめられてる、けど』

「はぁ、何でもねぇ。…一緒に風呂入る?」

『!な、何言って…!1人ずつ!!』

「はいはい、お先にどーぞ」



そうパッと手を離されて、背中を押される。

あれ…なんだか少し機嫌が悪くなったような?

首を傾げて振り向けば、息を吐き出しながら口角を上げていく彼。


悟のこの優しい笑顔、好き…


「早く入らねぇと、俺、待ちきれなくてかぐらのいるお風呂入りに行っちゃうよ?」

『それはだめ!

…悟、今日疲れてるでしょ?悟こそ先に入って休んでよ、ね?』



そう彼の両手を引っ張って立たせれば、片手で腰を引き寄せられる。

密着する身体が慣れなくて、彼の顔を見上げることができずにいれば、



「かぐらが一緒に風呂入ってくれたら癒されるんだろうなぁ」

『へっ…?』

「癒されてぇなぁ」



思わず彼を見上げれば、わざとらしく片手で額を押さえて息を吐き出していて…

断りにくい…!

わざとらしい態度で忘れてしまいそうになるけれど、今日の彼が本当に激務だったのを私は知ってしまっている。

本当にそんな事で癒されるのかな…



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