• テキストサイズ

五条君に恋に落ちるお話【R18】

第1章 enrollment







「…と、いうわけで、しばらく高専で預かることになった棘だ。
みんなしばらくは脳を呪力である程度覆っておくように。

午後の授業はグラウンド集合だからな、遅れるなよ」



そうゴツい見た目の夜蛾先生が私と棘を紹介してくれて、棘の頭を優しく撫でてから教室を出ていく。

本家を訪れてから約1ヶ月が経過し、棘につきっきりだった私はその分入学が遅れてしまったのだ。

私に抱っこされ、口元をネックウォーマーで隠している棘は首を傾げながらも私のクラスメイト達を観察している。

棘は本当にお利口さんだ。

たった3歳なのに、しばらくは私以外の人の前で、極力話さないようにという言いつけを見事に守ってくれている。

静かに息を吐き出すと、棘を覗き込み、



『棘、ここでは話しても大丈夫だよ』

「ほ、【本当】?ぁ、わ…髪の毛が、真っ白だぁ」

『ん?』



抱っこしていた棘を床に下ろせば、タタタッと軽快な足取りで、クラスメイトの元へ走っていく。


!!


そこには棘の言う通り、白髪の男の子がいて…

窓から入る風に揺れた髪はキラキラと光っているように見えた。

あ、明らかに嫌そうな顔だ。


この1ヶ月は抑えていてくれてはいたが、棘は好奇心旺盛な普通の男の子。

楽しそうにその白髪の彼の髪を触ろうと飛び跳ねている。



『と、棘!』

「あぁ?このガキが狗巻家の?つか、お前も狗巻か」

「わー!目も【蒼】だ!」



面倒くさそうに棘を抱き上げ、膝に座らせた彼は意外にも棘の相手をしてくれていて安心する。

先生が紹介してくれている間、クラスメイトのこと全然見てなかったんだなぁともう2人の生徒の方に目を向けた。

私、棘のこと気にしすぎ…?
過保護になっちゃってるかな。



「本当にもう呪言が使えてしまうんだね。私は夏油傑だ、あっちは五条悟でこっちが家入硝子だ」

「硝子でいいよ、かぐら」




そう黒髪で長い前髪の夏油君と、茶髪でボブの可愛い硝子ちゃんが、考え過ぎていた私に話しかけてくれた。

2人とも優しそうで良かった。



『あ、ありがとう。硝子ちゃんと夏油君!

あっ、棘!引っ張ったらダメだよ!』





/ 37ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp