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五条君に恋に落ちるお話【R18】

第1章 enrollment






『!!…もう大丈夫ですから呪具を下げて下さい。』



部屋の扉を開き、状況を飲み込むと、中央に座らされている棘を強く抱きしめて周りの大人を睨んだ。

泣いて腫れてしまったのであろう棘の瞼が目に入り、胸が締め付けられる。

大の大人が3人も。

3歳の棘に呪具を向けて、取り囲むように"見張って"いたのだ。



『聞こえませんでした?』



ゆっくり下げられる呪具を横目で確認し、顎で部屋の外に出るように指示する。



『棘、かぐらだよ。覚えてるかな?

もう大丈夫。怖いことはないよ?顔を上げて?
私といる時は何を喋っても良いからね』



そう私が微笑むと、怯えた表情で口をパクパクさせる棘。



『大丈夫。ほら、私の頭を見て?

特別な力で守ってるから、棘が何か話しても大丈夫なんだよ?』

「ほ、ほんと?

さ、さっき、ね、僕が…【やめて】って言ったら、【おかしく】、なっちゃって、う、ぇ…うぅ…」

『大丈夫。私はおかしくならないから、ね?』



言葉のところどころ混ざっている呪力から、棘の術式が本当に3歳で発現してしまったのだと悟る。

念の為、この部屋やこの家も呪力で覆いながら、棘が落ち着くように背中をさすりながら抱きしめ、口を開いた。



『この力は特別なんだよ?私達家族しか持っていないの』

「とくべつ?」

『そう!この力で色んな人を助けることができるの。

…ねぇ、棘も頑張ってみない?』



そう少し棘から離れて目を合わせると、驚いた表情を浮かべながらも、大きく頷いてくれたんだ。







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