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五条君に恋に落ちるお話【R18】

第1章 enrollment







「おい五条、かぐら離せ」

「ハイハイ。それから、オ、レ、は、かぐらに何もしてませーん」



硝子のおかげで解放され、口元を片手で隠しながら席につけば、笑顔の夏油君に顔を覗き込まれて背中に冷たい汗が流れる。

夏油君、いつも鋭いから怖い…!



「顔赤いけど、何があったんだい?」

『えっと…』

「ハハッ、そんなに分かりやすいとイジめたくなるね」

『!?…五条君は、その、本当に一緒に寝てくれた、だけで』

「同じベッドで?」

『そう、だよ?』



そう答えれば、夏油君が笑顔のまま硝子の肩に軽く手を置いて、口を開く。

な、何?どうしたの?



「悟、かぐらと同じベッドには上がらないと誓ってなかったかい?」

「は?誓い破ったの?」

「あー、そんなこと誓ったっけ?俺?」

『誓い…?』



そう私が首を傾げれば、五条君が突然、硝子と夏油君にガバッと肩を回して消えてしまう。

瞬間移動、出来るとは聞いていたけれど初めて見た…

私だけ、残されちゃった。

ありがたいような寂しいような複雑な気持ちを抱えながら、机に置いてあったプリントに気付いて、数学の問題を解くことにする。

ファーストキスのことは、考えないようにしよう。



そうしばらく夢中で問題を解き進めれば、4枚あったプリントの課題は全て終わり、時計を見ようと目線をあげると、



『ひゃっ!い、いつの間に…』



前の席に堂々と座って、暇そうにこちらを見ている五条君がいたのだ。

また、瞬間移動で戻ってきたってこと…?

硝子と夏油君は見当たらず、帰りは自分だけ瞬間移動したのだと悟り、?が頭の上に浮かんだ。



「かぐらが微妙な反応したからさ、俺、2人に問い詰められてすっげぇ大変だったわー」

『それは…本当に申し訳ないです…

私がしたこと、黙っててくれてありがとう』

「いーよ。それ終わった?」

『あ、うん!』

「じゃ、それと報告書出しに行こーぜ」



そう先に立ち上がって、歩き始める五条君に慌てて付いていく。

同級生からキスされたことは、あまり気にしていない様子でホッとする。

誓いがどうのとか言っていたけど、大丈夫だったのかな。

あれ?そういえば報告書って、私、書いたっけ?




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