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五条君に恋に落ちるお話【R18】

第1章 enrollment






使用した呪具を背中のケースにしまいながら、倒れている子ども達に駆け寄るかぐら。

綺麗で、強くて、優しくて、おまけに反転術式を持っている。
禅院がかぐらを求めてる理由がよく分かった。

倒れている子どもは12人。
まだ本調子でない彼女が、こいつらを全員治すとなると、また倒れかねないと思い、彼女の肩を軽く掴んだ。



『本調子じゃねーだろ、やめとけ。病院に連れて行く』

「大丈夫だよ」

『"目"で分かるって言ってんだろ』

「…バレちゃったか、あはは」



そう苦笑いしてからゆっくり目を閉じる彼女は、自分の無力さを痛感しているんだと直感し、片手を彼女の頭にのせた。



『すぐ近くに病院あるから問題ないだろ。棘戻ってくるまであんま呪力使うな』

「五条君…本当、優しいね。なんか私、ちょっと誤解してたかも」



そう言って、子ども達を抱っこして車に運ぼうとするかぐら。

かぐらにだけだけどな。
まあでも、そういう事にしておくか。

俺も3人の子どもを抱えて、補助監督の車へ歩き始める。

だいぶ弱ってんな、死ななきゃいーけど。













「たーいま」

「おかえり〜、五条とかぐら」

「かぐら、体調は大丈夫かい?」

『ありがとう、もう大丈夫!

硝子、治してくれて本当にありがとう』

「いいよー。…それよりかぐら、五条に何もされてない?」



硝子の言葉にびくりを身体が揺れて、すぐ横にいた五条君にぶつかってしまう。サングラス越しに目が合った五条君は、口角が上がっていて、思わず目を見開いてしまう。

任務を終えて教室に入れば、授業プリントに突っ伏していた2人がいて、なんだか安心した、のだけれど…



「は?五条?まじ?」

「何かされたのかい?」

『な、なな何も…されてない』

「かぐらチャン?誤解されるような反応しないでくれる?」

『ご、ごめん』



そう後ろから五条君に腕を掴まれて、にっこり微笑まれてしまう。

五条君からはされてないけど…私からキスしちゃったんだよね。

そう昨日の夜のことを思い出して、顔が熱くなる。



「だから、かぐらチャン?」

『ごめん、無理…』




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