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五条君に恋に落ちるお話【R18】

第1章 enrollment






「ご注文はお決まりでしょうか」

「とりあえずハッピーセットの全種類とー…あと、コレも」

『へ?全部?』

「ん?あぁ、かぐらは席行ってていーよ」



私の驚き様に、五条君は口角を上げながら私の背中を押した。

店員さんも少し驚いた様子で五条君の注文を聞いており、私の反応は間違ってないと思いながらも、言われた通りに先に戻ってきてしまう。

棘と2人の予定だったが、夏油君や硝子、五条君も一緒に来てくれることになり、戻った席は賑やかで、



「あっれー、五条は?」

『戻ってていいよって言われちゃって、大丈夫、かな?』

「かぐらちゃんは、ここに【座るの】!」

『いいの?お隣、五条君じゃなくて』

「朝、かぐらちゃん、げとーの隣嫌そうだったもん」


!!

思わずむせ返りそうになりながらも、硝子と棘を挟むように棘の左隣に座る。

棘、何を言い出すかと思えば…!

硝子はツボにハマったのかケラケラと笑っており、夏油君は笑顔を崩さないまま口を開く。



「へぇ?どんな風に嫌そうだったのかな?」

「えっとねー、げとーがかぐらちゃんのことジーッて見てて、かぐらちゃんが何もお話しなくなったの」

『い、嫌では、なかったよ!?

あの、ただ、凄い見られてたから恥ずかしくて…食べにくかっただけで』

「あはははっ、棘サイコー!」



夏油君にそう説明するが、明らかにわざとらしく残念そうな顔をして棘の方を向いている。

何を言うつもりなの…!?



「どうしたら仲直りできるか教えてくれないか、棘」

「んーとね…握手!【仲直り】の握手!」

「なるほどね。これでいいかな?」

『え、ぁ…』


!!

机の上に置いていた左手が夏油君の右手に絡めとられ、机の上に再び置かれる。

これって、握手…?

そう首を傾げていれば、恋人繋ぎのように指まで絡め取られ身体が揺れる。

夏油君の目を見上げれば、ん?と微笑まれるだけ。
腕を少しひいても、手をぎゅっと握り返されて離れることが出来ない。



『棘、握手ってまだ終わらない?』

「んー、あ、出来た!」

「おー、折紙うまいじゃん棘」

『き、聞いてない?!』

「かぐら、ただの握手でどうかしたかい?」




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