第2章 パンダドズル目線
僕はパンダドズル。竹の味に飽きてジャングルを飛び出したら、うっかり崖に真っ逆さま。
下が海で助かったけど怪我だらけで泳ぐことも出来ずにぷかぷか浮かんでいたところを人間に確保されて売り物にされてたってところ。
怪我を治してくれたのはありがたいんだけど、僕の面倒を見る飼い主って人間に出会うまでちょっと緊張した。
それまでは店主って人間に世話をされていたけれど、竹はもう食べたくないから食べない意思を示していたら、ある日とても美味そうな匂いをするものを少しだけくれた。食べてみるととても美味くて!
もっと欲しいと強請っている内に、僕は竹が食べられなくなった。でもいいんだ。僕はこの美味しいステーキの味を知ってしまったからね!
その内、僕の飼い主がやって来た。髪の毛の短い男の人間だ。
飼い主が僕と初めて会った時のことはよく覚えている。飼い主は真っ先に僕のところに来て「かいます」と言った。
人間の言葉はあまり分からないけれど、それはきっと居心地のいい言葉に違いない。なぜなら僕は、毎日飼い主にステーキをもらうからね。
飼い主は僕以外にも四体のMOBも飼ったから、運動のために飼育カゴから出してもらった時に、その四体にもステーキをお裾分けしている。みんな喜んでくれて、特にぼんブレイズさんなんかはもっと欲しいと言ってきたこともあったっけ。じゃあ今度はゲームをして勝ったMOBにあげる遊びとか誘ったらやってくれるかな? 今度飼育カゴから出してもらった時に、誘ってみよっと!