第6章 エルダーガーディアンMEN目線
そんなある日、飼い主が俺の水槽の目の前でMOB団らんという名目で俺含める五体を集めた。まず先に喋ったのは、隣の水槽にいた時からいつも話しかけてきていたウパおらふくんだ。彼はあちこちと冒険に出るので話題が尽きない。楽しそうならなんでもいいと思った。
次に話し出したのはぼんブレイズさんだ。俺を見るなりなんで攻撃してきたんだと喚き散らす。俺は暇だったからと答えると、攻撃準備前の動作をする。そこをパンダドズルさんが割り込んでステーキを配り始めた。これは美味いから頂くとしよう。
毒蜘蛛おんりーはあまり喋らない。喋っても一言二言程度なのだが、どうやら外の世界に詳しいようだった。頭も回り器用なやつなので、いつか戦ってみたいなと一瞬は思った。もちろん本気でやったら飼い主が困るだろうからやらないが。きっと、毒蜘蛛おんりーを敵に回したらやっかいになるだろう。
数日後、飼い主が俺のために身につける水槽をくれた。これがあれば水槽の外へ出られるらしい。
さすがに動きづらいのではと思ったが、意外にも快適ですぐに慣れた。飼い主のご厚意で水槽からはいつでも出られるようになっていたので、俺は部屋を探索。そこでやはり、ここに初めて来た時に気づいていた「装飾のなさ」が目立った。
ここには凹凸をつけて、こっちはもっといい色を塗りつけてみる。おお、よさそうだと思った矢先に飼い主に見つかった。
飼い主に怒られるかとも思ったが、そもそも俺はこの人間が怒っているのを見たことがない。難しい顔で俺としばらく睨み合ったあと、次の日には水で消えない色塗りの道具を持ってきて驚いた。俺にくれるらしい。ならばやるしかないよなぁ?
おかげで飼い主の家の中は俺の装飾でたくさんになった。いつも俺の頭に乗ってくるウパおらふくんも興味を持ち、一緒に装飾するようにもなった。時々不思議なオブジェを作ることもあるのだが、なかなか味があっていい。飼い主も気に入っているみたいだ。
そうして俺たちMOBが好き勝手暮らしていたある日、飼い主が俺たちを集めて何か相談してきた。ちょっと意味深そうな顔つきだ。
「MOB自慢大会があるんだけど……一緒に行ってくれるかい?」