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〖呪術廻戦〗大人しく抱かれてろ【R18】

第5章 あの人と出会ってしまった




不思議ね、兄に呼ばれる名前には負の感情しか湧かないのに。


五条くんに名前を呼ばれると、こんなにも嬉しいなんて。


今だけじゃない、五条くんは今までも、沢山、沢山呼んでくれた。


その全部に私を想う気持ちが、温かくて優しい気持ちが込められていた。


今更気づくなんて、私はとんだ馬鹿ね。


「雰囲気もあったもんじゃないし、カッコついてもいないのだけれど」


そんな憎まれ口を叩きながらも、差し出された手を握り返して立ち上がる私でごめんなさいね。


でも、ありがとう。


「言っておくけど、手を繋ぐことに次はないわ。これが最後よ」


本音じゃないの、伝わってる?


「素直になれよ?俺のこと大好きなくせに」


……伝わり過ぎてるじゃない。


まだ、大好きではないのだけれど。


「前よりは好きよ。恋愛としてではないけどね」


「人間としてってことかよ。異性として俺の魅力に気付くにはもう少しってとこだな」


「……立ち上がったのだから、もう離してくれない?」


差し伸べられた手は、立ち上がる為のもの。


今はもう、繋いでいる必要はないんじゃないかしら。


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