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〖呪術廻戦〗大人しく抱かれてろ【R18】

第5章 あの人と出会ってしまった




帰りのバスに乗り込んで、遠くなっていく水族館を眺めた。


大きな建物がぐんぐんと遠くなって小さくなっていく。


さっきまで、そこでとても楽しく過ごしていたのに。


バスに揺られながら、そんなことを考えている私とは対照的に


「五条くん、何をしてるの?」


「俺の手が寧々に触らないように必死に抑えてんだよ…っ」


2人掛けの席に横並びに座った私達。


人間0.1人分の隙間を空けながら、五条くんは私と隣り合った左の手を、反対の右の手で抑えていた。


「バカ」


周りの乗客の迷惑にならないように小声で罵った。


「じゃあ触ってもいいってのか!?」


五条くんも小さな声で反論をした。


「本当にバカ」


絶対に嫌とは言い切れない私が。


汚された過去のトラウマに縛られた私が、そんなことを思うなんて。


「触らないで」と強くは思わない。


今日は素敵な1日ではあるけれど、汚物まみれの過去を塗り替えるほどではない。


それなのに、五条くんが自分にとって特別な人だと錯覚してしまう。


「寧々、降りるぞ」


「え、うん…」

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