第5章 あの人と出会ってしまった
「…食べたいの?」
「すんげぇ食べたい」
よっぽどなのね、もう椅子から立ち上がってるくらいだし。
「寧々も食べような?2人でお揃いにしよう!買ってくる!」
もうお腹いっぱいだから、と止める前に五条くんは買いに行って、両手にソフトクリームを持って帰ってきた。
「はい、寧々の!この水族館限定のペンギンソフトクリームだって!」
「美味しそうだけど…食べられるかしら」
白と黒の2色に分かれたソフトクリームは、確かにペンギンの模様に見える。
食べてみると、甘いだけではなく塩気の効いたさっぱりとした味がする。
「…美味しい。スッキリしてて食べやすいのね」
「甘いものは別腹って言うだろ?特に女子は」
「そうね。完食してしまったからには認めるわ」
もう満腹で食べきれないと思っていたけど、ぺろっと食べてしまった。
「もし寧々が残したら、その時は俺が食べるつもりだったんだけどなー」
「間接的とはいえ気持ち悪いわね」
「しょっぱい、凄くしょっぱい、塩ソフトよりもしょっぱい対応された…」