第4章 告白と返事
「いーや、送ってたね。俺お返しにお土産買ったもん」
「お土産?」
「仙台名物、喜久福!俺のオススメのずんだ生クリーム味!寧々にも食べてもらおうと思って」
「そう、ありがとう。甘いものは好きだから楽しみにしてる」
「え?俺に会えるのが楽しみって?」
「喜久福。甘いものは好きだから」
「つまり甘い顔した俺が好きと」
「馬鹿なんじゃない?」
なんでいつも五条くんには馬鹿と思ってしまうのだろう。
事実だから、でしょうけど。
「あ、わりぃ寧々、補助監督が呼んでるから行ってくるわ」
「…どこに居るの?」
「宿泊先のホテル。大方、呪霊が発生したとかそんなとこでしょ。じゃあ行ってくるな、また明日」
私から切ろうと思っていたのに、五条くんの方から切れた電話。
なんだかムカつく、かけてきたのはそっちじゃない。
話したい事が沢山あるって言ったじゃない。
まだ全部、聞いていないのだけど。
「ーーっ」
長電話が終わって清々したはずなのに、どうして。
「少し、寂しいのよ…っ」
五条くんと関わると不必要に胸が騒めく。
知らない感情が心を覆う。
でもこの感情は決して不必要なんかじゃ……。