第4章 告白と返事
放課後、2人きりの教室。
夏油くんは真っ直ぐに私を見据えた。
改めて一対一で向き合うと、夏油くんって変な前髪してるのね。
「私は寧々ちゃんのことが好きなんだ。だから…寧々ちゃんのことは私に守らせてほしいんだ」
「…本気で言ってる?」
突拍子もなく突き出たセリフ。
似たようなセリフを五条くんも言っていた。
少なくとも真摯な態度で接する夏油くんと違って、ふんぞり返りそうなほどに偉そうだったけど。
「もちろん本気だとも。私が嘘を吐くような人間に見えるかい?」
「見えるわ」
あまりにも有り得ない話。
五条くんの時も何か裏があるのかと疑ったけど、夏油くんに関しては裏が表でもおかしくない。
そのくらい私を好く理由など見つからない。
五条くん…は、変な人だから変な理由があったのかもしれないけど。
「心外だな、私だって人を好きになることがある。それが寧々ちゃんだっただけの話だ」
告白なんて大袈裟にすれば良いってものではないのは分かってる。
それを含めても夏油くんはあまりに落ち着いていて、余裕すら感じられる。