第4章 告白と返事
『気持ち悪い』簡潔にまとめた気持ちを送り返した。
返信が来るよりも先に、今日も高専での1日が始まる。
五条くんがいなくても、どうってことない。
むしろ不在の方が伸び伸びできるような気さえする。
授業中、演習中、全く考えなかったわけではない。
今日は静かね…くらいには感じた。
うるさいのは五条くんだけで、騒がしいのも五条くんだけなんだと実感する。
夏油くんや硝子は淡々と過ごしていた。
あっけなく放課後になって、硝子は医務室に実習に呼ばれて行った。
「寧々ちゃん」
「なに?夏油くん」
「もう帰るのかい?」
「そうだけど」
見れば分かることを聞いてくるのは、夏油くんにしては珍しかった。
「今日1日、悟がいなくて寂しかったかい?」
「特には」
火を見るよりも明らかだろうに、どうしてそんなことを聞くのだろう?
「ここ最近、悟は浮かれていてね。もしかして寧々ちゃんとの関係に進展があったのかなと思っていたんだ」
「別に何もないのだけど」
「そう?私の思い過ごしだろうか。それなら…とても好都合なのだが」