第3章 任務と楽しい思い出
「まさか手を繋ぐより先に、こんなことになるとは俺も思ってなかったんだよ。まずは手を繋いでだろ、できれば恋人繋ぎしてさ、そっから徐々に…」
「うるさい!もう2度と触らせないから」
逃げ出せないのは明白で、抵抗しても無駄だと悟った。
今だけ我慢すれば、金輪際こんな触れられるようなことはないはず…。
「俺のお姫様が横暴なんだけどぉ!?でも、そんなとこも可愛いな」
「本当にうるさい」
分かってる…うるさいのは自分の胸の鼓動であって、五条くんの声なんかじゃない。
ドキドキ、ドキドキして鳴り止まない高鳴りに違和感があるだけ。
変な心臓の動きに戸惑ってるだけ、焦ってるだけ。
決して、五条くんに触れている面から感じる何かではない。
この動悸の出どころは、特級相当の呪霊と対峙したから、きっとそう。
だから五条くんの胸の鼓動が同じくらいうるさいのは…
「呪霊、倒してくれて、あ…りがと」
「あんなもん楽勝だろ。それより俺は寧々を守れなかった自分が憎い!あとそれから…」