第3章 任務と楽しい思い出
丸めた両手の拳を呪霊に突き出す。
私と五条くんが無駄な話をしてる間にも、攻撃をし続けていたのだろうけど、効かなくてごめんなさいね。
五条くんは無限…私はバリア…みたいなものがあるから当たらないの。
こちらの攻撃「だけ」を一方的に命中させることが出来る。
「いちいち狙いを定めるのは馬鹿くさくて無理よ」
まとめて祓ってしまいましょう。
「今度こそ、消えて」
握り拳を開いた瞬間に、存在が抹消されていく呪霊達。
最初に騙し討ちされたのは気に食わないけど、無数の呪霊があっけなく消えていく様を見るのは少しスカッとする。
「範囲攻撃のレベルじゃねぇだろ。こっちまで吹き飛ぶとこだったわ」
「無限に守られてるくせに何言ってるの」
「生身の人間だったらって話だよ。俺を誰だと思ってんの?」
「五条家の人間。ねぇ、本体ってまだ建物の中にいるみたいなんだけど」
強制的に転移させるには、あまりにも大き過ぎた。
「建物の中ァ?」
「正確には建物の地盤の奥深く。引き摺り出そうものなら建物の崩壊は免れな…っ!?」