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〖呪術廻戦〗大人しく抱かれてろ【R18】

第10章 知らない女の子と五条くん




「五条くんから宣言してくれたら楽なのに…」


「「え?寧々…?」」


「えっ、…っえ?」


心の中でぽそりと呟いた一言なのに、どうして声として耳に届いているのかしら。


私だけじゃない、五条くんも硝子も…知らない女の子も…全員が私を見つめている。


驚いたような不意をつかれたような、そんな気持ちになるのはこの場にいる全ての人…、そう、私も含めて。


……だったらなんで、私までもこの状況を飲み込めていないのかしら、なんて思うよりも先に


「ん、んんっ!!」


カフェラテを一気に喉に流し込んでも流れない空気。


苦いはずのコーヒーよりも苦苦しいこの状況の方が数段と上回った。


ミルクの甘味を感じる余地はなくて、ミルクによく似た髪色をした五条くんのぽかんと開けた口から、言葉を放つのがスローモーションになって見えた。


「やっぱり寧々以外に優しくなんて出来ない。『次』は思ったより早く来たな」


なんて優しく微笑むのかしらね。


コーヒーの苦さを、この苦々しい状況を優しく包み込むような笑顔を向けられては、正面切って直視なんて出来ない。


だけれど……いつものように顔を背けてはいけない、そんな気がして。


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