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〖呪術廻戦〗大人しく抱かれてろ【R18】

第10章 知らない女の子と五条くん




「っえ、」


「スプーン変えたとしてもさ、間接キスってやつ?平気なの?」


何気ない仕草に気持ちが表れるなんて、誰も教えてくれなかった。


「楽しい思い出」も「次」も…そういったよくよく考えれば、誰かと関わってできた記憶すらも、そんなことは組み込まれていなかった。


「隠しきれなくなっている」硝子の言葉を反芻する。


頭では反省をしつつ、脳をフル回転させる。


「えー…と」


五条くんの方をチラリと見やる。


「もがもご…っくく、!」


とっくに空っぽになった何にも入っていない口を、さも咀嚼しているかのようにもぐもぐと動かす。


こんな時に限って黙りこくる五条くんに、裏切られたと感じるのは当然のこと。


でも…白々しく食事をするフリを続ける五条くんだけど、込み上げてくる笑いは飲み込めていないようね…?


「元々そういうのに抵抗はない…のよ」


「入学したばっかりだったら騙されてたかもしれないけどさ。寧々は嫌がるタイプだって知ってるからなぁ」


苦し紛れの受け答えも硝子には何の意味もなさない。


まさか、まさかね、自分の方から二口目を差し出すことになるとは…思っていなかったの。


そしてそのスプーンで墓穴を掘ることなんて、誰が予測できたでしょうね…。


穴があったら入りたい…けど、あぁ…墓穴だけは避けなければならなかった。


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