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〖呪術廻戦〗大人しく抱かれてろ【R18】

第10章 知らない女の子と五条くん




「も、桃…?」


五条くんの一言に記憶が呼び起こされる。


あの日2人で分け合ったのも白桃のゼリーだった。


最初はみかんゼリーを食べて、物足りなくて一緒に白桃ゼリーまでも分け合って食べた。


おかしいくらいに甘くて美味しい、幸せな味がした…と記憶がぶり返す。


「寧々の味がす「カレーの隠し味に桃でも使われてるのかしら…ね?」


一口だけと約束したのに、まさか自分の方から二口目を差し出すことになるとはね。


有無を言わせず五条くんの口の中に突っ込んだスプーンを引き抜く。


あの時もそうだった、記憶の片隅…いえ、ど真ん中に焼き付いている。


「ねぇねぇ、寧々の味ってなに?」


「さぁ?五条くん、気でも触れたんじゃないかしら」


五条くんを黙らせたところで、横にいる硝子までもが黙るはずはなかった。


「うん、美味しいわ。フルーティーな味がするのね」


強引に話を切り替えて、五条くんに使ったスプーンとは別の新しいものを取り出して、自分の口に一口運ぶ。


辛さの中に甘さの残る食べやすいカレーと、ふわふわとろとろの卵、バターのコクを感じるライス。


三位一体となった美味しさは、ほんの少しだけこのマズい状況を緩和してくれる。


「ところでさ…寧々、そこ五条の食べかけのとこだけど」


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