第3章 任務と楽しい思い出
悪いのは集中していなかった私なんだけどな…。
「寧々、立て直せるか?お前の実力なら寸前でかわす事も出来たはずだ。今日のお前は身が入っていない」
「すみません、先生…」
鈍痛は硝子の反転術式で傷跡も残らずに去ったけれど、心がチクリと痛んだ。
こんなんじゃ水無月家への復讐なんて……。
「まいったな、この後寧々には任務を任せようと思ってたんだが、今のお前には荷が重いだろうな」
「大丈夫です、私にさせてください。切り替えて頑張りますから」
「そうは言ってもだな…」
「先生、俺がついていくから寧々に任せてあげてよ」
「悟がか?うーむ、お前達が連携を取れるとは思わないが…」
「だったら尚更、練習しといた方がいいでしょ」
割って入った五条くんは助け船を出したにしては、やけにニヤけて楽しそうだ。
それに任務を練習台に使おうとしているのも、なんだか気にかかる。
「五条が1人で行けばよくない?」
硝子の真っ当な提案を
「2人で行くことに意味があんだよ」
五条くんは真っ向から否定した。