第3章 任務と楽しい思い出
「大馬鹿」
私の一言に五条くんはギャーギャーと騒いで、結局そのテンションは午後の体術訓練までずっと続いた。
「だーかーらー!寧々は俺とペアになるの!」
「嫌」
「手加減するし、なんなら寧々の為にわざと負けてやるから!」
私より自分の方が強いことを前提として話す五条くんと呆れる私。
そんな私達を見た担任の夜蛾先生は
「悟、静かにしろ。寧々は傑とペアを組め。硝子は負傷したやつの回復をやれ」
「先生、俺はー!?」
「お前は術式の重ね掛けでも練習してろ」
「先生に向かって放ってもいいんだけど?」
「訓練開始、俺に刃向かったやつは宿題を3倍出す」
一応体術訓練ではあるのに、五条くんには訓練する必要がない…らしい。
「寧々ちゃん、私を見ていないと不要な怪我をするよ」
「…!別に五条くんのことなんか見てないから」
「おや?私はそこまでの言及はしていないが…」
「文脈的にそう思っただけ、夏油くんこそ女だと思って油断しないでよね」
「焦っていては足元をすくわれてしまうよ。こういう風にね」