第3章 任務と楽しい思い出
「おはよう、硝子」
「寧々なんか嬉しそうだけど、良いことでもあった?」
「…ノーコメント」
「否定も肯定もしないなら、それ以上は首突っ込まないけど。まっ、言いたくなったら話してよ」
同級生の家入硝子は気を遣わなくていいサッパリした性格で、ほどよくドライだ。
だからこそ、お互い余計な詮索をせずに友人のような状態でいられる。
「寧々、俺にもおはようって言ってくんない?」
「…夏油くんおはよう」
「あれ、もしかして俺見えてない?傑は俺のこと見えてる?」
夏油くんの隣には大いにおちゃらけた大男が座っていた。
「寧々ちゃんに見えていないのなら、私にも見えていないこととしよう」
「そっかー、あれだな、輝く俺が眩し過ぎて見えないんだな!」
「存在が塵だからでしょ。ちなみに五条、私も見えてないわ」
「なんだよお前ら冷た過ぎだろ!…あぁ、そうか。今日の体術訓練で俺にボコられるのが怖いんだろ?」
五条くんは早合点をして手をポンと叩いた。
「「バカ」」
硝子と夏油くんの声がピタリと重なる。
「お前らなぁ寧々を見習えよ!俺にバカだなんて…!」