第8章 違う人と任務
「寧々、傑、2人っきりなんて許さねーよ」
時間稼ぎをしていたのは、こっちの方かも。
あの呪力の持ち主に気付いて、隠密にもう1人を制圧させる…うん、私達の方が時間は必要だったわね。
所詮2級のお兄さんの方、ペラペラ話しててくれてありがとう。
「悟、来るなら来るって言ってよ」
「五条くん、間に合うのだったら一言くらいあっても良かったのよ」
「バーカ、ヒーローってのは遅れて登場すんだよ。つか寧々には俺も混ぜてって言ったくねぇ?」
何度も私の任務についてきたから、今回も乱入するんじゃないか…とは少しだけ思ってたけど。
「……覚えてないわね。その弟っぽい人、生きてるの?」
「ん、気絶してる」
五条くんは、人知れず倒していた弟さんを引き摺ってのご登場。
「俺だけでも見逃してくれ!弟とは二卵せ「うるさいよ」
夏油くんは騒いでいた兄の方も、泣き喚かないように気絶させた。
例え二卵性だとしても、片割れがやられて気付かないもの?
つくづく2級止まりって可哀想ね。
「はぁ…」
楽しくもない思い出でも、なんだか呆気なく終わってしまった。
高専1年生の夏休み最終日なのよ、もっと楽しく終わりたかったわ。