第8章 違う人と任務
「この呪物…大鯰の髭だけど、2級術師には扱えないよ。せいぜい準1級…1級以上は欲しいところだね」
「そ、そうなんだ…!だから俺は呪物を使いこなせずお前達に追い詰められる羽目に…っ」
時間稼ぎをしたいようだけど、みすみす騙されると思った…?
タイムリミットはとっくに過ぎてる。
そのことに気付かずに、馬鹿馬鹿しい演技を続けるから2級止まりなのよ。
「ところで、この今私が持っている大鯰の髭…はレプリカだよね?本物はどこ?」
「貴方は分身術なんて使えないのでしょう?もう1人は何処にいるの?」
お互いに示し合わせた訳ではないけど、夏油くんも同じ結論みたいね。
「チッ、バレてんのかよ。まぁいいさ。俺を倒したところで弟は倒せねぇ。俺達は双子だが、弟は準1級だ。
出来の良い弟がお前達を迎えに行くぜ?地獄に連れてってやるってなぁ!?」
タガが外れた頭の悪い人間って可哀想ね。
いくら成績の良い弟が本物の呪物を持っていようが、関係ないのよ。
本当に、全く、清々しいほど関係ない。
だって、あの呪力は
「迎えに来たぜ」