第8章 違う人と任務
随分とあっさりと降伏を示すのね。
貴方もあの呪力を感じ取ったの…?
「俺はただ、俺の実力を認めなかった呪術界に復讐したかっただけなんだ!!!」
「復讐…」
何かに報復しようとするのは、私も同じだけれど…呪術界に…?
「地形を少し変えることと分身くらいしか出来ない俺は、いつまで経っても2級止まり…そんな毎日に嫌気がさした。だから…っ、たまたま手に入れた呪物を使って、回収に来た高専側の呪術師を殺してやろうと思った…!でも…っ、お前達みたいな強い奴らが来るとは思わなかったんだ!俺でも勝てるレベルの奴らが来ると思ってたんだ…!本当なんだ…!」
「あのねぇ、もっと短くまとめられないの?説明の仕方が下手だよ」
「言い訳に聞こえるのだけれど」
呪術師こそ正義の呪術界に反逆しようとした、哀れな呪詛師は命乞いよろしく長々と喋り続けた。
追い詰められて、虫ケラほどの呪力や体力しか残っていないはずなのに、話をするためだけに体力や気力を使っているかのよう。
今回は学長に報告する為にも、生け捕りにしておきたいところ。
「ちなみにだけど…」
夏油くんは降参状態の呪詛師に言葉を投げかけた。